2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06405
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
生駒 大洋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 21世紀COE教員
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Keywords | 惑星大気起源 / 水の起源 / 太陽系の起源 |
Research Abstract |
本年度は,大気とマグマオーシャンの物質交換を検討し,原始地球の大気組成および酸化還元状態を明らかにした。昨年度の研究において,星雲ガスの中で地球が形成された場合,星雲ガス由来成分の強力な保温効果によって,地表面温度は数千度になることが分かった。地表面がそのような高温状態になれば,地表面や集積する微惑星が溶融あるいは蒸発する。地表面や微惑星が溶融あるいは蒸発すれば,その流動性と反応性が高くなるために,大気との化学的な相互作用が活発化する。地表面や微惑星は金属鉄や酸化鉄などを多量に含んでおり,それらが大気の酸化還元状態を決める。そこで,その状況を実際に数値シミュレーションによって再現した。その結果,これまでの研究によって提案されていたモデルに比べて,本研究の大気モデルは水素を多く含むことが分かった。この大気が微惑星集積の鈍化や大気散逸によって冷却すると,メタンが多く発生することもわかった。ここで導かれた地球表層環境は,生命の発生および化学進化に有利な条件であると推測される。
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Research Products
(2 results)