2002 Fiscal Year Annual Research Report
Haloarcula japonica由来フェレドキシンに関する研究
Project/Area Number |
02J06439
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 高稔 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フェレドキシン(Fd) / 発現系 / 融合タンパク質 |
Research Abstract |
フェレドキシン(Fd)は、地球上の様々な生物種に普遍的に存在し、比較的低分子量の電子伝達タンパク質であることが知られている。申請者は、高度好塩性古細菌Haloarcula japonicaが産生する耐塩性Fdの研究に取り組んでいる。これまでに天然型Fdの精製を行い、[2Fe-2S]型クラスターを含むことを明らかにした。また、X線結晶構造解析により立体構造についても明らかにされている。これまでにHa.japonica Fd遺伝子のクローニングを行い、本遺伝子が387ntのオープンリーディングフレームからなり、129アミノ酸をコードしていることを明らかにした。本研究では、Ha.japonica Fdの耐塩機構および電子伝達機構を解明することを目的として、大腸菌および高度好塩性古細菌を宿主とした発現系の構築を試み、各種組換え型Fdの性質検討を行った。まず最初にHa.japonica Fd遺伝子を大腸菌用発現ベクターpKK223-3に連結し、構築した発現型プラスミドを大腸菌へ導入して直接発現を試みた。そして抗Ha.japonica Fd抗体を用いFd遺伝子の発現を確認した。しかしながらFd遺伝子の有無を検出できなかったことから、Fd遺伝子のN末端にT7-Tagおよびグルタチオン S-トランスフェレラーゼ(GST)を連結した融合遺伝子を構築し、大腸菌での発現を試みた。その結果、T7-TagおよびGSTを連結した各種融合タンパク質の菌体内での生産が確認された。今後はこれら融合タンパク質の精製条件を検討し、各種融合タンパク質精製品の物理化学的手法を用いた解析を試みる。
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