2002 Fiscal Year Annual Research Report
変形性能に優れた鉄筋コンクリート杭に支持される建物の耐震性能
Project/Area Number |
02J06450
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長江 拓也 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート杭 / 変形性能 / エネルギー吸収 / 損傷 |
Research Abstract |
本年度においては、部材実験を通してせん断破壊が卓越する鉄筋コンクリート杭の変形性能の考察を行い、これと並行して鉄筋コンクリート杭が降伏する場合の上部構造-杭基礎-地盤連成の地震応答解析を試みた。 部材実験の結果、変形性能は横補強筋の増大により向上するものの、せん断スパン比が小さくなることにより、せん断破壊性状が卓越し変形性能が低下する傾向が確認された。過去の研究から、比較的精度よくせん断強度を予測できる強度式が提案されており、本研究では、この式から導かれるせん断強度計算値と断面曲げ解析から導かれる曲げ強度計算値の比(以降、せん断余裕度)を指標とし、変形性能を評価することを試みた。その結果、せん断スパン比が異なる場合にせん断余裕度を指標とすることで変形性能を適切に評価できることを明らかにした。その上で、せん断余裕度と限界変形角(最大耐力の90%まで耐力が低下した時点での部材角)の関係を定量的に示し、今後の、鉄筋コンクリート杭の変形性能に期待する設計に対する有用な資料の蓄積に貢献した。 地震応答解析においては、12階建ての事務所(ラーメン構造)と同じく12階建ての共同住宅(ピロティ構造)を対象とし、軟弱地盤である台場地区おいて鉄筋コンクリート杭に支持されることを仮定して、杭が降伏する場合と従来どおり弾性範囲にとどまる場合を比較した。その結果、杭が降伏することによるエネルギー吸収が上部構造の応答を低減させる可能性を見出した。
|
Research Products
(2 results)