2004 Fiscal Year Annual Research Report
変形性能に優れた鉄筋コンクリート杭に支持される建物の耐震性能
Project/Area Number |
02J06450
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長江 拓也 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 鉄筋コンクリート杭 / 変形性能 / エネルギー吸収 / 損傷 / 破壊確率 |
Research Abstract |
杭の変形性能に期待して,過大にならない断面を設定した場合,心配されるのが中小地震時における損傷の程度である。鉄筋コンクリート上部構造の性能評価指針では柱や梁に対する損傷評価を示しているが,杭にとって重要な軸力の影響を考慮できない。また,杭となると資料もほとんど存在しない状況である。そこで,杭に見立てた柱型の実験を行い,その損傷仮定を克明に記録し,その評価について検討を試みた。モデルはひび割れ界面の力の釣り合いからひび割れ幅を算出するもので,軸力の影響までを考慮できる形となっている。今後,さらに実験結果を蓄積し,評価のキャリブレーションを行う必要がある。 動的相互作用の解析研究では,杭頭および基礎梁の曲げ降伏後のエネルギー吸収および周辺地盤のエネルギー吸収により,上部構造の損傷が減少することを見出し,上部構造と基礎構造の強度比と損傷バランスの関係を示した。 平行して,地震ハザードに基づく地震応答解析を用いるアプローチにより,建物の破壊確率を検討した。この破壊確率に上部構造・基礎・地盤の相互作用が及ぼす影響は,地盤の硬さに大きく依存すると考えられる。今後,さらに地盤の種類を含めたパラメトリックな検討を行い,全体像を掴む研究活動を続ける計画でいる。
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Research Products
(3 results)