2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06467
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 新一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | エネルギー輸送・貯蔵 / 超電導磁気エネルギー貯蔵 / 超電導コイル / 電磁力 / ヘリカルコイル |
Research Abstract |
本研究は、超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)装置において、超電導コイルに生じる電磁力の大きさが大容量SMES装置の実現を妨げている問題に着目し、エネルギー貯蔵に必要な電磁力支持材量の最小化を実現する電磁力平衡コイルの研究開発を行うものである。 電磁力平衡コイルとは、ヘリカル巻線形状のコイルであり、最適なヘリカル巻数を選定することで発生応力の最小化が実現でき、従来SMES用コイルとして提案されているトロイダル磁界コイルやソレノイドコイルに比べ、電磁力支持材の必要量を半減以下にできるコイルである。 平成14年度は、電磁力平衡コイルの設計条件を示し、概念の実証実験を行った。具体的な研究方法は、内外層2つの電磁力平衡コイルをヘリカル巻線方向が互いに反対になるように巻線を行い、内外層コイル間の電流比を選定することで、等価的にヘリカル巻数を0から∞まで連続的に変化できる実験装置を設計製作した。コイル外直径は50cmであり、使用した超電導線はNbTi線である。実験の結果、ヘリカル巻数を変化させることによりコイル巻枠に生じる応力分布が変化することを確認した。また、最適なヘリカル巻数を選定することで発生応力の最小化が実現可能であることを示し、電磁力平衡コイルの概念の妥当性を実証することに成功した。 本実証実験の成果は、超電導応用に関する国際会議、国内の学会において報告を行い、SMES研究に従事する研究者より関心を得ている。 一方、機械巻による電磁力平衡コイルの製作技術に関する研究も進めており、製作の容易性を考慮したヘリカル巻線形状に関する検討も行っている。
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