2003 Fiscal Year Annual Research Report
レトロトランスポゾン挿入による哺乳類のゲノムインプリンティング成立機構の検証
Project/Area Number |
02J06507
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 竜一 東京工業大学, 生命理工学研究科・生物プロセス専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / メチル化 / レトロトランスポゾン / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
これまでに、私はマウス6番染色体近位部のヒト相同性領域である7q21にマップされる新規父性発現インプリンティング遺伝子PEG10(Pataernally Expressed 10)を単離している。多くのインプリンティング遺伝子は、クラスターを形成し、ヒト、マウスで保存されていることから、今回私は、マウスPeg10を中心に、新規インプリンティング遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、新規母性発現インプリンティング遺伝子として、Neurabin, Pon2,Pon3,Pdk4、新規父性発現インプリンディング遺伝子としてPeg10の単離に成功した。これにより、マウス6番染色体近位部には,3Mbpに及ぶ巨大なインプリンティングクラスターが存在することを明らかにした。 Peg10はORF1(Open Reading Frame 1)と-1 frameshiftを介して翻訳されるORF2の2つのタンパク質をコードし、それぞれがフグのSushi-ichiレトロトランスポゾンのGAG, POLタンパク質に高い相同性を示すなど様々なレトロトランスポゾンの特徴を有している。Peg10は、レトロトランスポゾン由来の遺伝子でありながら、他のレトロトランスポゾンの様に不活化されておらず、脳、胎盤で高発現し、哺乳類で高度に保存されていることから、初期胚性致死の原因遺伝子となりうる正常な発生に必須な機能を獲得した可能性が高い。そこで、現在までにPeg10ノックアウトマウスの作製に成功し、Peg10の機能を解析中である
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Research Products
(1 results)