2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相成長法による1.3μm帯面発光レーザの実現
Project/Area Number |
02J06556
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川口 真生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | GaInNAs / MDCVD / VCSEL / Laser |
Research Abstract |
本研究の目的である,有機金属気相成長法による1.3μm帯GalnNAs面発光レーザ実現に重要な結晶品質をさらに増すために,歪補償について検討した.現在GaInNAs量子井戸を2〜3%の高歪条件で製作しており,歪補償構造により結晶品質を向上できる可能性がある.また,量子井戸活性層数を増し,デバイス設計の自由度を広げることも期待できる.圧縮歪GalnNAs量子井戸を歪補償するためには,GaAs基板に対し伸張歪となる材料が必要となる.補償層材料として,GaAsP, GaInP, GaNAsなどが候補として挙げられる.今回は,組成,界面制御が比較的容易で高品質な膜が期待できるGaAsPについて検討した.発光は,歪補償量を増すと強くなった.一方GaInNAsとGaAsPが接すると(GaAs層が間にないと)発光が得られなかった.リアクタに残留したPが影響したと考えられ,GaInNAs/GaAsP歪補償量子井戸においては,フローシーケンス制御が重要である.PL強度はP組成を増して歪補償量を増やすと共に強くなった.P組成最大の23%のとき,残留歪はおよそ1.3%である.つぎに,歪補償による量子井戸数の増加について検討した.井戸数を1〜9に変えた試料を成長し,歪補償有りと無しでPL強度を比較した.井戸層の歪量は2.3%である.歪補償無しの井戸では井戸数を1から3に増すとPL強度は大きく低下した.一方歪補償有りでは,無しにくらべ井戸数を増した際の強度の低下が小さく,井戸数5までは無しよりも2倍程度強い発光が得られた.井戸数を9に増やしたところ,歪補償有りの井戸からの発光も,無しと同程度となった.井戸数5程度までの,歪補償によるGaInNAs多重量子井戸高品質化の可能性を示した.
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Research Products
(1 results)