2002 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおけるジャスモン酸生合成・情報伝達ネットワークの網羅的解析
Project/Area Number |
02J06572
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関本 結子 (佐々木 結子) 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジャスモン酸 / シロイヌナズナ / cDNAマクロアレイ / 植物ホルモン |
Research Abstract |
ジャスモン酸(JA)類は、傷害応答・病害応答・葯の形成など多岐に渡る生理作用を持つことが知られている。植物中にはJA、メチルジャスモン酸(MeJA)、JA生合成の前駆体であるOPDAなど、種々のジャスモン酸類が存在するが、それらの機能の違いについてはよくわかっていない。我々はこれまでにJA、MeJA、およびOPDA処理に対して発現量が変化する遺伝子群をcDNAマクロアレイにより同定してきた。これらの遺伝子群にはJAの生合成遺伝子であるLOX2,AOS, AOC, OPR1,OPR3が含まれており、いずれの処理においても一過的に発現が誘導されていたが、そのプロファイルは各処理によって異なることが明らかになった。そこで本研究ではJA類の中でも特にMeJAが遺伝子発現に及ぼす影響に注目するために、理研で作成されたトランスポゾンタグラインを検索し、MeJAの合成酵素、jasmonic acid carboxyl methyltransferase(JMT)の欠損株を得た。この変異体の解析を行ったところ、傷害時におけるMeJAの蓄積量が野生株に対して有意に低いにも関わらず、通常とほぼ同程度の傷害応答関連遺伝子の発現が起こっていることが示された。この結果は、傷害時の個体内における情報伝達には主にJAまたはOPDAが関与していることを示唆している。この結果は2003年度植物生理学会において発表予定である。
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Research Products
(1 results)