2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06599
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹谷 絢 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 二酸化炭素 / グアニジン / 求核付加 / 求電子的活性化 |
Research Abstract |
二酸化炭素はDBU(ジアザビシクロウンデセン)などのアミジン類と容易に付加体(R_3N^+COO^-)を形成することが知られている。これに適当な求電子剤(EX)を作用させた時,アミン-二酸化炭素付加体の酸素原子上での求電子付加反応が進行するならば,アルコキシカルボニルアンモニウム塩(R_3N^+COOE・X^-)が生成する。このようにして生じたアルコキシカルボニルアンモニウム塩のカルボニル炭素は高い求電子性を有しているものと考えられる。すなわち,適当なアミンと求電子剤を組み合わせることによって二酸化炭素を求電子的に活性化できるのではないかと考えた。 まず,二酸化炭素との付加体を容易に形成すると考えられるアミン類として,DBUなどのアミジン類よりも塩基性が高いグアニジン類に着目した。立体的要因と電子的要因を考慮し,環状構造を有しかつ窒素上にアルキル基の置換した1,3-ジメチル-1,3-エチレン-2-エチルグアニジンを合成した。これの^1H NMRスペクトルを1気圧の二酸化炭素雰囲気下重ジクロロメタン中で測定したところ,アルゴン雰囲気下でのスペクトルとはケミカルシフトが若干異なっており,二酸化炭素付加体の形成が示唆された。そこで次に,これに対し種々の求電子剤を作用させたところ,メチルトリフラートなど嵩の小さい求電子剤を作用させるとグアニジンの窒素上での反応が進行してグアニジウム塩が生成するのに対し,トリイソプロピルシリルトリフラートのようなかさ高い求電子剤を作用させると二酸化炭素付加体の酸素上での反応が進行し,シリルカルバメート誘導体((i-Pr)_3SiOOCNR_3^+・^-OTf)が生成することがわかった。現在,このようにして得られたシリルカルバメート誘導体に対し種々の求核剤を作用させ,カルボニル炭素上への求核付加反応が進行しないか検討している段階である。(779文字)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiroyuki Kusama, Jun Takaya, Nobuharu Iwasawa: "A Facile Method for the Synthesis of Polycyclic Indole Derivatives : The Generation and Reaction of Tungsten-Containing Azomethine Ylides"Journal of the American Chemical Society. 124・39. 11592-11593 (2002)