2002 Fiscal Year Annual Research Report
超重力理論におけるドメインウォールのAdS/CFT対応への応用
Project/Area Number |
02J06617
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永沼 雅史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超重力理論 / ドメインウォール / 高次元時空 / Ads / CFT対応 / 超対称性 |
Research Abstract |
超重力理論においてドメインウォール解を構成し、それをブレーンを用いた高次元時空模型やAdS/CFT対応に応用するという本研究の目的を、以下のような2つの段階を経ることにより実現した。 まず、重力を含まない5次元の超対称模型の中でドメインウォール解が知られている模型に注目し、その性質を詳しく調べた。具体的には、模型自体とその解の満たす方程式を、超対称性が明白な形で一般的に再構成した。この研究により、5次元の超対称模型にはどのようなポテンシャル項が一般的に許されるかを理解することができた。また、ドメインウォール解が満たす方程式を、超対称性を半分保つという条件から再構成することにより、模型の詳細に依らずに方程式を導出する技術を確立できた。そこで、我々はこれらの結果を論文にまとめた。 次に、上記で調べた模型に対し重力相互作用を加えた超重力模型について研究した。重力を無視する極限では、この模型におけるドメインウォール解の存在は保証されている。実際に、重力の効果まで含めてドメインウォール解を厳密に構成することに成功した。超重力理論におけるドメインウォール解で、重力の強さをゼロにする極限をもつような解を構成したのは、我々が最初である。我々が求めた解の性質を調べると、模型に現れるパラメータの値を変化させることで、高次元時空模型に応用できる場合と、AdS/CFT対応に応用できる場合の両方を実現できることが分かった。そこで、我々はこの結果を論文にまとめた。 超対称性を壊さずに5次元の模型に重力を結合するとき、またドメインウォール解を超重力模型で構成するときに、超対称性が明白な形で模型や方程式を再構成した前の研究が重要な役割を果たした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 新井真人, 永沼雅史, 新田宗土, 坂井典佑: "Manifest Supersymmetry for BPS Walls in N=2 Nonlinear Sigma Models"Nuclear Physics. B652. 35-71 (2003)
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[Publications] 新井真人, 藤田茂夫, 永沼雅史, 坂井典佑: "Wall Solution with Weak Gravity Limit in Five Dimensional Supergravity"Physics Letters. B556. 192-202 (2003)