2003 Fiscal Year Annual Research Report
アミン配位金属錯体の不活性分子活性化にもとづく新規触媒反応の開発に関する研究
Project/Area Number |
02J06691
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遷移金属錯体 / 炭化水素類の活性化 / 二酸化炭素の活性化 / 分子触媒 / 超臨界流体 |
Research Abstract |
本研究ではアミン配位金属錯体の示す特異な反応性に着目し、単純アルカン類の炭素-水素結合の切断と、生成するアミン配位アルキル金属錯体の金属-炭素結合への二酸化炭素の挿入を鍵反応とする新規な触媒的二酸化炭素固定化法の開発をめざしている。本年度はアミン配位アルコシド8族、9族遷移金属錯体による分子内アリール基の炭素-水素結合切断反応の詳細を明らかにした。本反応の反応機構に関する多くの知見を速度論的実験や錯体化学的実験を行うことにより得ることができた。この反応はアルコキソ配位子が非常に重要であり、アミン配位アルコキシド錯体が直接、炭素-水素結合を切断していることがわかった。とくに、イリジウム錯体の反応性が高く、温和な条件で効率的に炭素-水素結合の切断が進行する。今後分子内にアリール基を持たない種々のアミン配位アルコキシド錯体を合成し、単純アルカン類と分子間反応を検討する。また、二酸化炭素挿入のターゲット化合物として重要であるアミン配位アルキル錯体の二酸化炭素に対する反応性の向上を目的とし、これまでに合成例のなかったパラジウムや典型金属である亜鉛を中心金属とした新規アミン配位金属錯体の合成を試みた。種々の金属錯体を検討し、アルキル錯体の前駆体となりうる新規アミン配位パラジウムおよび亜鉛錯体をつくることに成功した。今後得られた錯体をアルキル錯体へ変換し、二酸化炭素との反応性を調べるとともに、これらの錯体を用いた分子間炭素-水素結合切断にも取り組む。
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Research Products
(1 results)