2004 Fiscal Year Annual Research Report
アミン配位金属錯体の不活性分子活性化にもとづく新規触媒反応の開発に関する研究
Project/Area Number |
02J06691
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 遷移金属錯体 / 炭化水素類の活性化 / 二酸化炭素の活性化 / 分子触媒 / 超臨界流体 |
Research Abstract |
本研究では、アミン配位金属錯体の示す特異な反応性に着目し、単純アルカン類の炭素-水素結合の切断と、生成するアミン配位アルキル金属錯体の金属-炭素結合への二酸化炭素の挿入を鍵反応とする新規な触媒的二酸化炭素固定化法の開発をめざした。本年度は、重要な触媒中間体と考えられるアミン配位アルキル錯体の二酸化炭素に対する反応性の向上を目的とし、これまでに合成例のなかったアミン配位子を有する新規なパラジウム、イリジウム、ロジウム錯体の合成を試みた。種々の金属錯体を検討し、アルキル錯体の前駆体となりうる新規アミン配位金属錯体を合成することに成功した。今後、得られた錯体をアルキル錯体へ変換し、二酸化炭素との反応性を調べる必要がある。また、前年度の研究成果であるアミン配位アルコキシド錯体による分子内アリール基の炭素-水素結合切断に関連して、アミン配位子を有するルテニウムアルコシド錯体の合成と反応性の解明に取り組んだ。その結果、用いるアルコールや反応条件を制御することによって、アミン配位アルコキシド錯体を単離することができた。アルコキシド錯体は、分子内アリール基の炭素-水素結合切断を容易に起こし、シクロメタル化錯体を与えた。 このシクロメタル化の速度は、用いる配位子の構造によって大きな影響を受けることがわかった。単純アルカン類の炭素-水素結合を切断するためには、配位子の構造をさらに最適化する必要がある。この研究過程において、アルコキシド錯体の金属-酸素結合に対する二酸化炭素の反応を検討した。その結果、ヨード(アミン)ルテニウム錯体の存在下、エポキシドと二酸化炭素から触媒的に環状カーボネートを合成することができた。これは、アミン配位金属錯体の特徴を活かした二酸化炭素固定化法のひとつである。
|
Research Products
(1 results)