2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06722
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 達 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光通信 / 光回路 / 中空導波路 / MEMS / 等価屈折率 |
Research Abstract |
情報通信容量の増大に対応するため,現在,波長分割多重(WDM)通信方式の普及が急速に進められており,高機能で柔軟な光ネットワークを構築するためには,光回路素子がキーポイントとなる.本研究では中空導波路を用いた温度無依存,高機能な光回路の研究を行ってきた. 空気中に光を3次元的に閉じ込める導波路として,誘電体多層膜反射鏡,導波路のコア厚変化を用いた3次元導波路構造を提案した.同時に導波路の製作プロセスも提案し,実際に製作した導波路を用いて中空コア内で光を基本モードでの伝搬を実証した.この中空導波路はコアが空気であるために屈折率が温度に依存しない. また中空導波路を用いる利点として,コアが中空であるためにMicro Electro-Mechanical System(MEMS)を集積できる点が挙げられる.そこで中空導波路のコアの厚さを変位させるMEMS機構を集積することでコア内を伝搬する光の伝搬定数(等価屈折率)の変化を引き起こすことが可能となることを示した.他の屈折率変化が可能なデバイスと比較して,中空導波路を用いた場合の方が大きな屈折率変化を引き起こす可能性がある.これにより,広帯域なチューニングレンジを持つ光制御回路の構成が可能となる. 中空導波路とMEMSを融合した光デバイスの1例として,3次元中空導波路を用いた可変光減衰器を提案した.これは導波路厚さの変化により,光のコアへの閉じ込め状態,伝搬位置を変化させることで出力ファイバに結合させる光強度を可変にするものであり,この機能を実証するために,導波路厚さを変化させた際の挿入損失の変化の測定を行い,その結果挿入損失で14dBの可変帯域を実現した.そして,中空導波路のコア内の伝搬定数の可変特性を実験的に実証するために,3次元中空導波路内に共振器を形成し,導波路の厚さを変位させたときの共振スペクトルの変化を調べた結果,共振スペクトルのシフトが得られ,中空導波路を用いた屈折率変化を世界で初めて実証した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toru Miura, Fumio Koyama, Akihiro Matsutani: "Modeling and fabrication of hollow optical waveguide for photonic integrated circuits"Japanese Journal of Applied Physics. 41・7B. 4785-4789 (2002)
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[Publications] Toru Miura, Fumio Koyama, Akihiro Matsutani: "Three-dimensional hollow optical waveguide with an etched groove substrate"Japanese Journal of Applied Physics. 41・9. 5607-5608 (2002)