2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村岡 哲郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Electromechanical Delay / アキレス腱横断面積 / Slack / 受動トルク |
Research Abstract |
健常な成人男性を対象として、超音波法(Muraoka et al., 2001)を用いて、立位及び歩行において足関節受動トルクが果たす役割を調べた結果、足関節受動トルクは、立位及び歩行における総足関節トルクに対してそれそれ17、6%の貢献をしていることが示された。また、これらの貢献度は、筋収縮に伴う筋線維短縮によりそれぞれ3、2%減少していることが明らかとなった。これらのことから、受動トルクは身体活動に対して無視できない貢献をし、その貢献度の推定においては、筋収縮に伴う筋線維短縮の影響を考慮する必要があることが示唆された。 下腿三頭筋腱組織の受動的力学特性を定量する際、足関節角度変化.筋腱複合体長関係を定量する事が必要となる。この関係を簡便に得る方法として、皮膚の形状変化をビデオカメラにより撮影し、画像分析するという方法を考案し、その妥当性を検討した。その結果、皮膚の形状変化の情報から得られた足関節角度変化.筋腱複合体長関係は、MRI(磁気共鳴画像)で得られた結果と類似し、また、先行研究との比較においても、妥当な値を示した。このことから、皮膚の形状変化の情報から、足関節角度変化.筋腱複合体長関係を得ることが出来る可能性が示唆された。 腱の質的、量的な特性に影響する因子を検討するため、健常な成人男性・女性を対象に、アキレス腱横断面積、最大伸張量を超音波診断装置を用いて測定した。その結果、腱の特性に大きく影響する因子は筋力であることが示された。筋力の増加と共にアキレス腱横断面積は増大するが、アキレス腱組織の特性は変化しないことが明らかとなった。また、筋力が一定以上になると、筋力の増加に対するアキレス腱断面積増加の程度が大きくなり、アキレス腱にかかるストレスが一定値以下に保たれることが明らかとなった。これらの結果は、腱の障害を防ぐための腱の適応を表している可能性が考えられた。
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