2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06852
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菱谷 隆行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 分子認識 / テーラーメイド / レセプター / 基質選択性 / 分離 / HPLC |
Research Abstract |
(1)シクロデキストリンを用いたインプリントゲルを合成することにより、ステロイドの分離や他の様々なターゲットに対する分離担体への応用可能性を示した。ダイオキシンモデルや通常選択的分離が困難な疎水性ゲストを選択的に認識・分離することに成功し、本手法が水中で機能する人工レセプターの汎用性の高い合成法として有望であることを示した。また、オリゴペプチドや生理活性ペプチドなどの生化学的に重要なターゲットに対しても機能し、シリカゲルカラムを用いた鋳型重合法によりペプチドの選択的分離にも成功した。これらは、今後配列特異的認識へと応用することができると期待できる。 (2)ターゲットに対して選択的な結合部位を構築するための手法を新たに見出した。すなわち、シクロデキストリンをターゲット存在下で架橋反応を行うことにより、目的の親和性の高い化学種を優先的に高収率で生成させることに成功した。より簡便なレセプター合成とドラッグデザインの新手法となる可能性をもち、分離材料や触媒への応用も考えられる。この方法論を用いれば、ターゲットに対して親和性の高い水溶性の集合化ホストを簡便に調製することが可能となる。 (3)上記の疎水結合を用いた分子認識の他に、ペプチド認識のために金属錯体が有効であることを見出した。これまでにパラジウム-色素系がヒスチジンを認識する人工系として機能することが分かった。このレセプターを用いれば、蛍光エネルギー移動(FRET)などにより簡便・容易、かつ安価にヒスチジンを有するタンパク質・生理活性ペプチドのセンシングが可能となる。次年度はヒスチジンタグなどの配位可能なアミノ酸残基を有するペプチドのFRETセンシングを検討する。さらに、当該研究室で既に報告されている亜鉛錯体を用いることにより、シグナル伝達系に関与するリン酸化反応をモニターすることができるようになると期待できる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Hishiya, T.Akiyama, H.Asanuma, M.Komiyama: "Molecular Imprinting of Cyclodextrins Leading to Synthetic Antibodies"J.Incl.Phenom., Macro.Chem.. (印刷中).
-
[Publications] T.Hishiya, T.Akiyama, H.Asanuma, M.Komiyama: "Molecularly Imprinted Cyclodextrin Polymers as Stationary Phases of High Performance Liquid Chromatography"Polymer J.. (印刷中).