2003 Fiscal Year Annual Research Report
超重力理論による超対称ゲージ理論の強結合力学の研究
Project/Area Number |
02J06911
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
那珂 通博 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超対称ゲージ理論 / 共形場理論 |
Research Abstract |
カラビ・ヤウ多様体への超弦理論のコンパクト化において、適切な極限により超対称ゲージ理論の厳密解であるサイバーグ・ウィッテン解を導出できることが知られており幾何工学の手法と呼ばれている。特にカラビ・ヤウ多様体のミラー対称性において蓄積された技術を応用することにより4次元N=2 SU12)超対称ゲージ理論のインスタントン捩幅の漸近的ふるまいについての知見が得られることを示した。今年度は、それに加え、未だ手つかずであった共形不変性をもつゲージ理論の場合に幾何工学による厳密解の構成を拡張することに成功した。漸近自由なゲージ理論と質的に異なる極限のとり方を見出した。具体的には、ゲージ理論が共形不変性をもつことに対応して、サイバーグ・ウィッテン解はモジュラーパラメータをもち、理論は保型性を所有する。このモジュラーパラメータが自然に現れるとともに、もう1つ余分なパラメータで調整してやる必要があることを指摘した。 対数的共形場の理論について予備的考察を行った。これはトリプレット代数とよばれるW代数により共形ブロックが有限次元になる模型が唯一可解な例となっている。相関関数のみたす積分表示及び有理共形場の理論で知られたコホモロジーの議論を自由場表示を拡張して、余分なゼロモードを含めることにより拡張、修正することを試みた。相関関数においては、部分的に厳密解を再現することに成功した。
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Research Products
(1 results)