2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06920
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
受田 宏之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メキシコ / 先住民 / オトミー / 貧困 / 教育 / 家計調査 |
Research Abstract |
本年度は、2002年4〜5月、2002年8月、2002年12月〜2003年1月にかけての3回、のべ5ヶ月間にわたりメキシコに滞在し、調査活動に従事した。調査地は、オトミー移住者の出身農村であるケレタロ州サンティアゴ・メスキテイトラン(SM)である。主な成果は、(1)オトミー族の教育に関するデータの収集、(2)91世帯への家計調査の実施、の2つである。前者については、教育水準の低さがオトミー族の経済的貧困の大きな原因となっているという点で、教育は重要な変数である。このため、現地の教育関係者への集中的なインタビュー等、教育についてのデータを広く集めた。家計調査は、農村SMの社会経済状況を正確に把握し数量的分析を行うことを目的になされた。現地の高校生を助手として雇い、かつ選ばれる世帯に偏りがないよう注意しつつ、6つの非オトミー世帯を含む91の世帯を訪問、それぞれの世帯に対し質問票調査を実施した。 本年度はこのように一次資料の収集に主眼が置かれたものの、2002年11月16日に開催された日本ラテンアメリカ学会東日本部会において、「メキシコ先住民の教育問題-ケレタロ州サンティアゴ・メスキティトランのオトミーの事例を中心に-」という題目の発表(論文も配布)を行った他、2002年4月より参加しているアジア経済研究所の「メキシコとブラジルの教育」に関する研究会において同題の研究報告を執筆した。2003年3月27〜29日にかけて開催される2003年度LASA(国際ラテンアメリカ学会)大会には当初の予定通り参加し、「Schooling, Language and Poverty : Education and Indigenous People in Mexico」という題目の報告(論文も配布)をした。学術雑誌への投稿については、現在1本の英文論文を投稿中である。
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