2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化するネットワーク:その特性解明と新しい発展的システムの可能性
Project/Area Number |
02J06964
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 康弘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ネットワーク / 自己組織化 / スケールフリー / スモールワールド / 最短経路 |
Research Abstract |
(1)複雑系において頻繁に観測されるスケールフリー次数分布を持ったネットワーク構造を再現するために、既存の優先的結合による自己組織化ではなく、自然淘汰をベースとしたネットワークジェネレータを提案した。これによって、明示的にハブの生成を意図せずとも、局所的な情報交換によって自発的にハブが生成できることを示した。当研究は2002年11月発行の情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用(Vol.43)に掲載されている。 (2)計算機シミュレーションにおいて、ネットワークの生成やネットワーク上で発生するダイナミクスを効率よくモデル化し数値実験を行うには、ネットワークシミュレータ作成のための汎用のプログラミングツールが必要である。これをC++用のテンプレートクラスライブラリとして実装し、現在当該研究機関のWEB上で一般に公開している。 (3)ネットワークトポロジーを特徴付ける新しい量として、ノード間の最短経路上のエッジに加わる負荷について、エッジ間の負荷相互依存性という量を考案した。東京の鉄道網を例に数値実験を行った結果、この負荷依存性は経路の並列性と直列性という新しい評価基準を説明する概念として有用であることが判明した。鉄道網のトポロジー構築には国土交通省がWEB上で公開している国土数値情報を利用し、その解析、可視化のためのツールを作成した。前者の研究については現在未発表、後者のツールについてはWEB上で公開している。 (4)複雑系に内在するネットワークという近年になって生まれた新しい視点について、最先端の研究を紹介するという趣旨において、学部学生向けと大学院学生向けに2度講義を行った。
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Research Products
(1 results)