2003 Fiscal Year Annual Research Report
スラウェシ島北部における少数民族の諸言語の調査及び分析・記述
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02J07088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 敦子 (内海 敦子) 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | スラウェシ島 / バンティック語 / タラウド語 / 少数民族言語 / フィールドワーク |
Research Abstract |
平成14年度にインドネシア国スラウェシ島北部の少数民族の言語であるバンティック語とタラウド語の調査を行った。平成15年度は引き続きバンティック語とタラウド語の調査を行い、言語の記述及び調査・分析を行った。調査期間は平成15年7月21日から8月23日である。この期間に行った調査であるが、バンティック語については既に行った音声・音韻、形態、統語の各分野において得られた結果の確認を行った。さらにバンティック語のテクストを集める目的で民話やナラティブテクストの調査を行った。今までに記述したバンティック語の統語論的分野のテンスとアスペクトに関しては再調査を行い、多数の動詞のそれぞれについて、どのようなアスペクトの特徴を持つのか、それがテンスの形態によって表される意味にどのような影響を与えるのかを調べた。このバンティック語のテンスとアスペクトに関する調査は雑誌論文にまとめ、東京大学言語学論文集23巻に掲載された。 タラウド語の調査に関しては、既に音声・音韻の調査が終了していたため、形態と統語の各分野の調査を平成15年7月から8月にかけて行った。平成14年度に行った調査のうち、音声・音韻の分野において、世代の違いによる相違が多く観察されたため、その世代差をより深く調査した。20代と60代の話者では用いる音素の種類が異っており、借用語を発音する際の法則も異なっている。その結果をまとめ、平成15年6月の日本言語学会で発表した。平成15年度の調査のうち、形態論の分野においては、タラウド語に用いられる接頭辞・接中辞・接尾辞を調べ、それぞれの意味・機能を探った。またそれぞれの接辞が付加した語がどのような統語的特徴を示すのかについても調査を行った。この調査の結果は、現在論文にまとめている。
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Research Products
(1 results)