2002 Fiscal Year Annual Research Report
低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質LRP9遺伝子欠損マウスの作製と解析
Project/Area Number |
02J07292
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 拓也 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | LRP9 / 遺伝子欠損マウス / 低密度リポタンパク質 / 受容体 / 高脂血症 / LDL受容体 / 肝臓 / 腎臓 |
Research Abstract |
新規低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質LRP9の個体レベルでの働きを初めて明らかにするため、遺伝子欠損マウスの作成を行った。LRP9は申請者が新規に発見しクローニングした受容体で、低密度リポタンパク質受容体(LDL受容体)に類似した構造を持ち、in vitroでの機能解析と発現分布から肝臓でのリポタンパク代謝や腎臓において重要な役割を果たしていると予想される。まず、LRP9 cDNAプローブ(Sugiyama et al. Biochemistry 39:15817-25,2000)を用いてES細胞由来129ジェノミックライブラリをスクリーニングし、LRP9に対するマウスジェノミッククローンを複数得た。制限酵素をもちいたマッピング、部分的な配列決定およびBLAST解析によりそのジェノム構造を決定した。これをもとに定法にしたがい、ネオマイシン耐性遺伝子およびチミジンキナーゼ遺伝子を持ったコンベンショナルなジーンターゲッティングベクターをデザインし、遺伝子組み換えにより作成した。電気穿孔法を用いてターゲッティングベクターをマウスES細胞(E14)に導入し、薬剤選択により耐性株を得た。耐性株からDNAを抽出し、エクスターナルプローブおよびインターナルプローブを用いたサザンプロットにより相同組み換え株を複数確認した。相同組み替え株の正常な染色体数を確認したのち、マウス胚にこの相同組み換えES細胞を注入し、129/B6キメラマウスを作製した。現在、B6マウスへのパッククロスによるヘテロ接合体作成を試みている。
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