2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J07328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 春人 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 対外交流(外交) / 渤海 / 東北アジア / 仏教 / 平安時代 / 大宰府 / 唐 / 倭の五王 |
Research Abstract |
平成15年度における研究実績は下記の通りである。 前年度に引き続き対外関係史及び仏教史に関する文献史資料の収集をおこなった。近年進展が著しい考古学成果の情報収集についても現地調査等を通じて進めることができた。 研究論文は三本、書評一本、史料注解一本の成果を公表することができた。研究論文では平安期の対外交流の前提となる5〜8世紀の国際環境について取り組んだ。まず国家外交における交渉の要である外交文書のあり方について研究を進めた。また、従来研究の中心であった東アジアからさらに視野を広げて列島東北地方〜東北アジア地域を含み込んだ交流のあり方について明らかにした。いずれも平安期の対外関係を考える上で不可欠の論点である。また、書評・注釈など研究環境の整備にも努めた。 また、日本資料専門家欧州協会(於フランス)と史学会大会の場において口頭報告をおこなった。いずれも平安期における国際関係下での情報流通に注目して発表した。特に国家外交が低調化する状況で国際交流において僧侶が果たした歴史的役割を明らかにした。 前年度から進めていた、渡宋僧成尋の日記『参天台五臺山記』のデータベース(36万字)の入力を終えた。その成果は現在専門家を中心に無償で配布して好評を博している。今後は校正をおこない、完成度を高めた上でインターネットへの公開を目指す。 また、本年度も北九州沿岸部への現地調査をおこなった。特に各地に点在する寺院・神社の地理的位置の踏査や所蔵されている文化財の実見を通して、対外交流における仏教の役割について確認することができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 河内 春人: "渤海と契丹・奚"日本と渤海の古代史(佐藤 信編)(山川出版社). 21-45 (2003)
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[Publications] 河内 春人: "倭王武の上表文と文字表記"國史学. 181. 33-63 (2003)
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[Publications] 河内 春人: "唐から見たエミシ-中国史料の分析を通して-"史学雑誌. 113編1号. 43-61 (2004)
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[Publications] 河内 春人: "書評 筧 敏生著『古代王権と律令国家』"歴史評論. 647. 124-129 (2004)
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[Publications] 金子 修一, 金子 由紀, 河内 春人, 榊 佳子, 牧 飛鳥, 江川 式部: "大唐元陵儀注試釈(三)"山梨大学教育人間科学部紀要. 5巻2号. 10-16 (2004)