2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳内におけるトポグラフィックマッピングの形成に関するモデル構築とその理論的解析
Project/Area Number |
02J07338
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 源立 東京大学, 情報基盤センター, 特別研究員
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Keywords | ニューラルネットワーク / 信号処理 / 独立成分分析 / 自然画像処理 |
Research Abstract |
独立成分分析(ICA)のおけるJacobi法を改良して、多層線形ICAアルゴリズム(LMICA)を提案した。Jacobi法は、信号の全てのペアに関して、一対比較をしながら最適化を行うことによりICAを実行する手法であるが、それに対して、我々は、すべてのペアではなくその一部、重要なペアだけに最適化を施す手法を提案した。重要なペアの抽出に関しては、確率勾配法を適用することで、効率的に行なえることを示した。そして、LMICAを実際の自然画像に適用することで、その有効性を実証した。12x12ピクセル程度の小さな画像に適用した例では、通常の手法よりはるかに少ない最適化のステップにより、解が最適な地点近くまで収束することが示され、通常のMaxKurtのようなJacobi法に比べて、はるかに効率的であった。また、ステップの進行につれて、抽出されるedge detectorの性質が変化して行くことも示された。初期においては、局所的なdetectorが形成され、後期になるに従って、大域的なものも形成されることが観察された。さらに我々は、LMICAを、通常のICAでは計算的に処理できないような、64x64ピクセルからなる非常に大きな自然画像にも適用した。その結果、LMICAは様々な興味深いdetectorを巨大画像からも抽出できることが示された。例えば、長い線に反応するdetector、あるいはX型の入力に反応するdetectorなどが抽出された。 さらに、初期のステップにおいては局所的なものも発見された。このことは、LMICAにより局所的なdetector、大域的なdetectorを同時に抽出出来ることを示しており、興味深い結果であると考えられる。以上よりLMICAの有効性を実証した。
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Research Products
(3 results)