2004 Fiscal Year Annual Research Report
将来にわたる確実な安全性を保証可能な電子決済方式の実現方法に関する研究
Project/Area Number |
02J07343
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 悟一郎 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 暗号 / 認証 / 鍵漏洩 / 情報量的安全性 |
Research Abstract |
本年度は、これまでに行った情報量的に安全な暗号・認証技術に関する議論をさらに進展させ、より高度な安全性の実現を行った。具体的には、従来のほとんどの暗号方式の利用においては、数学的な解析よりもむしろ正規利用者自身の不注意による鍵情報の漏洩が原因となって暗号解読がなされてしまうことがほとんどであることを考慮し、鍵情報の漏洩を想定しても安全性を保証可能な暗号方式の設計とその安全性の解析を行った。本研究において、新たに提案した暗号方式においては、復号鍵を時系列に沿って逐次更新していくことを特徴としており、任意の複数の時点の復号鍵が漏洩したとしても、それら以外の時点に作成された暗号文の平文に関する情報が一切解読不可能であることを証明可能となっている。また、この際攻撃者は、いずれの時点の復号鍵を漏洩させるかを自由に選択できるものと想定しており、さらに、一切の数学的困難性の仮定も用いていない。すなわち、提案した方式は、鍵情報の漏洩が起こりうるものと想定したとしても、無限の計算能力をもつ攻撃者でさえ、一切の部分解読すら行うことができないといえる。本成果は電子情報通信学会英文論文誌等で発表を行っている。また、この他にもIDベース暗号における鍵漏洩問題についての考察などを行い、その成果を国際会議IWAP'04などにおいて発表している。これらの成果をあわせ、本年度は、査読付正論文5件および国際会議発表論文4件を発表している。
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Research Products
(5 results)