2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J07349
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 哲雄 東京大学, 史料編さん所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 鎌倉 / 北条氏 / 都市 / 鎌倉幕府 / 守護 |
Research Abstract |
本年度は、(1)「鎌倉期播磨国の守護・国衙・悪党」(『兵庫大学附属研究所研究所報』7、2003年4月刊行予定)、(2)「鎌倉幕府の地方制度」、(3)「御家人制研究の現状と課題」(いずれも北条氏研究会編『北条時宗とその時代』文献出版、2003年5月刊行予定)の三本の論文を執筆した。(1)では、守護職や所領を素材にして、播磨国における北条氏の勢力が伸張していく過程を検討した。また、鎌倉末期の「悪党」登場の背景に、守護あるいはその名代の現地赴任や、東国武士の移住の影響を想定し、鎌倉前期の「守護使乱入」との連続性を推測した。(2)では、鎌倉幕府の地方制度である守護・六波羅探題・鎮西探題について研究史を整理し、北条氏の勢力伸長の過程を再検討する必要性を強調した。さらに、鎮西探題研究においては、既存のシステムである太宰府との関わりをさらに追究すべきだと論じた。(3)では、鎌倉幕府御家人制研究の現状を整理し、争点となる史料を提示して再検討を試みた。また東国御家人と西国御家人の違いを踏まえる必要があること、御家人が本来持っていたはずの将軍との主従関係についても再考の余地があることなどの課題を指摘した。いずれの論文も、鎌倉幕府の中枢を握っていた北条氏の勢力伸長や権力構造そのものの実態解明を目指したものである。引き続き全国的な北条氏所領の検出と守護職との関係について史料を収集している。また、都市鎌倉における北条氏の動きを探るため、東国御家人を中心とした武士達の都市鎌倉における居住形態についての論文を現在執筆中である。
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Research Products
(2 results)