2003 Fiscal Year Annual Research Report
西太平洋海域における浮遊性有孔虫の生態と分子系統:海洋環境指標の再確立を目指して
Project/Area Number |
02J07367
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
氏家 由利香 東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 西太平洋 / 琉球弧海域 / プランクトンネット試料 / 浮遊性有孔虫 / 浮遊性有孔虫の遺伝子解析 |
Research Abstract |
全海洋域で生息する浮遊性有孔虫は、海洋表層水の水温や塩分等の性質によって生息分布をもつ海洋プランクトンである。また、炭酸塩カルシウムによってできている殻は、海底堆積物中に残るため、古海洋環境の復元の指標としてよく使用される。しかし、意外にも浮遊性有孔虫の生態には不明な点が多く、過去の海洋変動で解釈できない現象も多い。 本研究では、西太平洋・琉球弧海域で採取したプランクトンネット試料から産出した、生きている浮遊性有孔虫の試料を用い、群集の解析と、また遺伝子レベルの解析を行っている。 本年度は、遺伝子解析の手法と技術の確立・取得を主に行った。東大海洋研究所にて、上記の試料からの遺伝子抽出、またポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅、そしてダイレクトシークエンスの一連の実験を行った。さらにカリフォルニア大学バークレー校にて、PCR産物を用いたクローニングを行い、SSUrDNAの完全な遺伝子配列を、10種から得る事ができ、現在データの解析中である。これらのデータと、すでに大西洋から得られている9種の既知の配列を比較し、海洋間での相違を検討する。さらに、大西洋では数少ない、熱帯域の特有種が本研究対象海域からは産出し、さらにその配列も読み取っている。この種の配列と、属レベルで異なる他種の配列が非常に類似しており、上述のデータで系統樹を作成していく必要性がある。 さらに、バークレー校にて、タヒチ周辺等、太平洋の別海域での試料も採取されており、より多くの太平洋産の浮遊性有孔虫の遺伝子配列を得て検証することが可能であり、現在推進中である。
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[Publications] Ujiie Y., Ujiie H., Taira A., Nakamura T., Oguri K.: "Spatial and temporal variability of surface water in the Kuroshio source region, Pacific Ocean, over the past 21000 years : evidence from planktonic foraminifera."Marina Micropaleotology. 49. 335-364 (2003)