2002 Fiscal Year Annual Research Report
精神分析的児童研究の展開とその教育への影響に関する教育思想史的研究
Project/Area Number |
02J07401
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下司 晶 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 精神分析(Psychoanalysis) / S・フロイト(Freud, Sigmund) / C・G・ユング(Jung, Carl Gustav) |
Research Abstract |
平成14年度の研究目標は、S・フロイトの思想において<子ども>がいかなる位置を占めていたのかを明らかにすることであった。当初、国内では入手が困難な資料等に関しては、海外にて調査・資料収集にあたる予定であったが(外国旅費として予算計上)、ある程度の資料が国内で入手可能なことが判明したので、本年度は国内での研究に専念した(消耗品費・国内旅費として計上)。 調査研究の中心は、下記二論文の執筆に向けたものだった。 (1)「S・フロイト<誘惑理論の放棄>の思想史的再検討」 S・フロイトの1897年の思想転換といわれる<誘惑理論の放棄>において、フロイトが依拠していた生物学理論の変遷が重要な役割を果たしていることを明らかにした。 (2)「フロイトとユングの分岐における<人類の先史としての子ども>」 1912年前後を中心としたフロイトとユングの離反において、<子ども>が主要な役割を果たしていたことを、当時の書簡や著作から明らかにした。その際、ドイツ語圏における進化論生物学の受容が、特に問題となった。 これらの論文の完成原稿は、ともに平成15年5月に投稿予定であるため、裏面への記入は行っていない。草稿は、以下の研究会でそれぞれ発表した。(1)精神分析理論研究会(2002年9月29日)、(2)教育詩学研究会(代表鈴木晶子京都大学教育学部助教授、2003年2月19日、於 京都大学)。 なお、以上の研究と平行して、以下の学会に参加した。教育思想史学会(第12回大会、2002年9月21日-22日、於 目白大学)、教育史学会(第46回大会、2002年10月5日-6日、於中央大学)、教育哲学会(第45回大会、2002年10月19日-20日、於 東京家政学院筑波女子大学)、臨床教育人間学会(第4回カンファレンス、2002年12月14日、於 横浜国立大学 教育文化ホール)。
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