2002 Fiscal Year Annual Research Report
SiC繊維強化SiCの物理的・化学的損傷の非接触分離検出
Project/Area Number |
02J07447
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
間宮 崇幸 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 繊維強化セラミックス基複合材料 / 損傷検出 / 電磁波 / 誘電特性変化 / SiC繊維強化ガラスモデル材料 / マトリックスき裂 |
Research Abstract |
SiC繊維強化SiCは損傷許容特性を有することから、セラミックス単体では得られないメートルオーダーの大型燃焼器ライナーの一体成形材料のような、脆性的なセラミックス単体では適用困難な耐熱大型構造物への利用が試されている。複合材料はタービン入り口温度が1500℃にも達する高温大気中雰囲気で使用されることが期待されている。使用時には、(a)マトリックスき裂、繊維破断、剥離、空孔などの構造変化による物理的損傷と、(b)酸化によるガラス層SiO_2の生成、繊維の熱分解による劣化などの材料変化による化学的損傷が共に発生する複合損傷という問題がある。これまでに、SiC繊維強化SiCにGHz帯域の電磁波を照射し誘電特性を測定することにより、室温大気中での引張損傷を非接触で検出することの出来ること、接触式の誘電率測定法において、物理的損傷と化学的損傷で誘電率の周波数依存性に違いがあることを確認した。本研究では、損傷未知のSiC繊維強化SiCの誘電率測定による非接触・非破壊損傷検出を行い、物理的・化学的損傷を分離して検出し、損傷検出法として実用化への方向性を示すことを目的とした。 マトリックスき裂の電磁波に対する影響のみを考慮するため、モデル材料として一方向SiC繊維強化ガラスを用いて研究を行った。GHz帯域の電磁波を材料に非接触で照射し、誘電特性の散乱パラメータ(反射係数(S_<11>)および透過係数(S_<21>))を測定する装置系を用いて、誘電率および誘電損率を算出し装置定数を求めた。また、本装置を用いて、GHz帯域の電磁波をアンテナの照射角度を変化させ斜めに材料に照射し、その反射係数の変化から、SiC繊維強化ガラスに生じた損傷の検出を行った。反射係数の変化と照射角度の関係から、生じたクラックの向きによる反射係数の変化への影響を検討し、SiC繊維強化ガラスに生じた損傷検出に適用した。照射する電磁波の角度の増加に伴い反射係数が減少する傾向が得られた。マトリックスき裂の向きによって電磁波が変化する影響が明らかになり、電磁波の照射方向によってき裂の方向を検出できる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Mamiya, Y.Kagawa, M.Tamura, M.Sato: "Nano Surface-Modification Effect of Si-Ti-C-O Fiber on Tensile Fracture Behavior of Woven Fabric SiC Matrix Composites"Journal of Materials Science Letters. (in print).