2002 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素ラジカルを利用する水溶媒中での有機合成反応の開発
Project/Area Number |
02J07486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依光 英樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 陽電子放出断層撮像法 / 放射性薬剤 / ラジカル反応 / ヒドロキシ化反応 / トレーサー / PET |
Research Abstract |
まず、PETトレーサー前駆体である6-ヨード-2,6-ジデオキシ-D-グルコースの合成を検討した。2-デオキシグルコースの1位を塩酸メタノール溶液でメチル化した後ヨウ素/トリフェニルホスフィンノイミダゾールにより6位水酸基をヨウ素化した。最後に1位のメトキシ基を硫酸で加水分解し、目的の新規ヨード糖を合成した。 次にこのヨード糖を用い、超高速ラジカルヒドロキシ化反応を検討した。その結果、溶媒として、ベンゾトリフルオリドとペルフルオロデカリンと2-ブタノールの混合溶媒を用いると効率良く酸素ガスを反応に利用できることが明らかとなった。ヒドロキシ化反応剤としては市販のトリブチルスズヒドリドが最も有効であることも見い出した。反応温度としては80℃が最適であった。 以上の成果を基に先端医学薬学研究センターにおいてホット合成を行った。酸素ガス濃度1.5%の酸素窒素混合ガスを利用し、2分で反応を完結させることにより28mCiの放射能をもつ反応混合物を得ることができた。ラット及びサルの画像診断を行う際に必要な放射能がそれぞれ、1mCi,30mCiであり、現在合成した糖の放射能は目標値に近い。精製については固相抽出によるスズ残渣の除去に成功している。現在サルへの投与による画像化を検討している。
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