2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J07584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 大昌 東京大学, 社会科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 立地-数量競争 / 線形市場 / 円環市場 / 部分集積 / 厚生分析 |
Research Abstract |
平成14年度に私が行った研究では、立地-数量競争においての企業行動や社会厚生等の、基本的な性質を明らかにしていった。それらは大きく分けて次の3つの研究に分けられる。 1 (均衡)先行研究にあった企業数が2のケースを拡張し、一般の企業数で円環市場のモデルを解いた。均衡には大きく分けて4つのパターンがあるのを示し、それらが成立する条件を導出した。これにより、線形で見られた全企業の集積が起こらないこと、そして円環価格競争では見られなかった部分的な集積が起こりうることを示すことが出来た。 2 (厚生)先行研究では消費者の分布が様であったが、その仮定を外し、また企業数も一般にして、線形市場における均衡と厚生分析を行った。一般的に、消費者にとっては企業が中央集積をすることが望ましい。しかし、生産者余剰も含めた社会余剰を考えると中央集積に対する企業の私的誘引が過剰になることを示した。 3 (均衡比較)円環モデルにおいて企業が偶数個存在する時に見られる均衡パターンのうち、もっともらしい2つについて比較した。企業数と立地可能点はそれぞれ4とし、パターン1は全ての企業が均等に離れる、そしてパターン2は企業が2つの均等に離れた地点に2つずつ立地する、というものとした。そこで、先行研究にあった線形の輸送コストという仮定を緩め、凸凹性を認めた。すると、均衡の成立するパラメータの範囲、ならびに利潤の高さといった、2つの概念において、パターン1のほうがより均衡として頑強であるということを示した。 これらの3つの研究は全て現在、査読付き誌に投稿中である。題目は以下の通りである。 Equilibria for Circular Spatial Cournot Markets. Spatial Cournot Competition and Economic Welfare. Partial Agglomeration or Dispersion in Spatial Cournot Competition Revisited.
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