2003 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞転写因子3の活性が栄養と内分泌系によって制御される機構の解析
Project/Area Number |
02J07591
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井前 正人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アミノ酸 / インスリン / グルココルチコイド / HNF-3 / FoxO / SGK / 転写制御 / RNAλ |
Research Abstract |
本研究はアミノ酸欠乏による肝細胞転写因子(HNF-3)の活性の変化機構およびHNF-3によるIGFBP-1遺伝子転写制御機構の解明を目的として研究を行ってきた。またIGFBP-1遺伝子の転写に関与することが明らかになった転写因子FoxOに関しても新たに検討した。これまでラット肝臓においてHNF-3およびFoxOのmRNA量が変動することを明らかにしてきた。その現象をより詳細に解析するため、肝ガン細胞であるH4IIEおよびHepG2細胞を用いて解析を進めていった。しかし両細胞において各因子のmRNA量の変動がin vivoの結果と相関しない場合や、H4IIEとHepG2細胞において逆の応答を示す場合もあり、一貫した結果が得られなかった。そこで個々の遺伝子の応答に注目し、それらの応答機構を解析することにした。種々の阻害剤を用いた解析の結果、本研究で検討したすべての遺伝子のアミノ酸欠乏によるmRNA量の変動はprotein kinase A(PKA)を介していることが明らかになった。そこで細胞内cAMP濃度およびPKA活性を測定したところ、アミノ酸欠乏により細胞内cAMP濃度は上昇したものの、PKA活性が減少していた。cAMP量とPKA活性が相反するという報告はこれまで無く、アミノ酸欠乏時にはPKAのcAMPへの感受性が変化していることが考えられる。本研究によりアミノ酸欠乏による転写制御機構の一端が明らかになり、今後各遺伝子のプロモーター解析により当分野の研究は飛躍的に進むと思われる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M Imae, Z Fu, A Yoshida, T Noguchi, H Kato: "Nutritional and hormonal factors control the gene expression of FoxOs, the mammalian homologues of DAF-16"Journal of Molecular Endocrinology. 30. 253-262 (2003)