2003 Fiscal Year Annual Research Report
味覚シグナリングにおけるアクチン結合タンパク質CAP機能の解析
Project/Area Number |
02J07603
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石丸 喜朗 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 味覚情報伝達 / 味蕾細胞 / cyclase-associated protein / アクチン細胞骨格 / 乳頭 |
Research Abstract |
我々はこれまでにアクチン制御因子であるCAPが、ラット有郭乳頭において、分化段階比較的後期の味細胞特異的に強く発現することを示している。舌上で味蕾が存在する場所である乳頭には、有郭乳頭以外に葉状乳頭と茸状乳頭がある。有郭・葉状乳頭と茸状乳頭では、投射する神経の種類や乳頭の形状、発現遺伝子の存在様式などが異なることが報告されている。そこで、葉状乳頭と茸状乳頭におけるCAPの存在様式を解析した。 葉状乳頭と茸状乳頭におけるCAPの存在様式を免疫染色法とin situハイブリダイゼーション法を用いて調べた。CAPに特異的な抗体を用いて葉状乳頭切片の免疫染色を行った結果、有郭乳頭と同様に、一部の味蕾細胞特異的に強く発現していた。一方、茸状乳頭に関しては、有郭・葉状乳頭と同じ条件下で免疫染色とin situハイブリダイゼーション(7μm切片、58℃、デイゴキシゲニン標識プローブ、NBT/BCIP発色)を行った。その結果、味覚シグナル伝達分子IP_3R3やgustducinなどのシグナルは検出されたが、CAPに関しては有郭・葉状乳頭とは異なり、一部の味蕾細胞特異的なシグナルは観察されなかった。 有郭・葉状乳頭と茸状乳頭でCAPの存在様式が異なることから、それぞれにおいて、味蕾細胞の性質、あるいはアクチン細胞骨格が異なっている可能性が示された。
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