2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝を制御する転写因子SREBPの細胞内動態の解析
Project/Area Number |
02J07605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 祐子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | SREBP / ubiquitin / proteasome / degradation / SUMO-1 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
転写調節因子SREBPのユビキチン化とSUMO-1化について解析した。 1.これまでにSREBPは核内においてステロールの影響を受けず構成的にユビキチン化修飾を受けてプロテアソームにより代謝回転されることが明らかにした。今年度は、SREBP特異的なユビキチン化の機構を明らかにするためにSREBPのin vitroユビキチン化アッセイ系を構築した。ユビキチン化はE1、E2、E3の三種の酵素により基質に付加されるが、活性型SREBPのユビキチン化にはE2としてUbc4又はUbcH5cが関わることを明らかにした。 2.SUMO (small ubiqutin-like modifer)-1について検討した。SUMO-1は基質のSUM0-1化コンセンサス配列に存在するリジン残基に結合し、転写因子などの調節因子の特異的な活性を調節する調節機構である。SREBP-1には4箇所、SREBP-2には2箇所のコンセンサス配列が存在することから、活性型SREBPがSUMO-1による修飾を受け、そのSUMO-1化が転写活性や代謝分解に影響を及ぼすかについて検討した。 その結果、SREBPがSUMO-1化修飾を受けることを明らかにした。変異体を用い解析により、SREBP-1では123と418番目のリジン残基が、SREBP-2では464番目のリジン残基が、SUMO-1を共有結合することを同定した。SUMO-1化の機能を解析するためにレポーターアッセイとノザンブロットをおこなったところ、活性型SREBPのSUMO-1化はその転写活性を抑制することが示唆された。SUMO-1はユビキチンと同様にリジン残基に結合するが、SREBPのSUMO-1化はユビキチン-プロテアソーム系による分解に影響せず、さらに細胞内ステロール量により調節を受けないことを確認した。このことから、SREBPのSUMO-1化は分解非依存的にその転写を抑制する機構であると考察した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yuko Hirano, Shigeo Murata, Keiji Tanaka, Makoto Shimizu, Ryuichiro Sato: "SREBPs are negatively regulated through SUMO-1 modification independent of the ubiquitin/26S proteasome pathway"THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY. (In press).