2002 Fiscal Year Annual Research Report
超耐熱性ADP依存性グルコキナーゼのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
02J07643
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 創平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ADP依存性キナーゼ / 古細菌 / リボキナーゼファミリー / X線結晶構造解析 / グルコキナーゼ / PFKCファミリー |
Research Abstract |
超好熱性古細菌の解糖系初段で、ATPではなくADPをリン酸供与体とする新規のグルコキナーゼ・ホスホフルクトキナーゼ(ADP-GK・PFK)が近年発見されたが、本研究によりThermococcus litoralis由来ADP-GKの立体構造とそのADP依存性という希有な性質の由来が明らかにされた(S.,Ito.2001)。しかし、糖結合部位の詳細やドメイン開閉の機構は明らかになっていなかった。平成14年度の研究により、Pyrococcus furiosus由来ADP-GKとglucose、AMPの三者複合体の立体構造を決定し、その耐熱性機構、ドメインの開閉機構、α-、β-anomer glucoseがalternative confomationでADP-GKに結合していることを明らかにし、さらにリボキナーゼファミリーの全体で保存されている"Spring region"の概念を新たに提唱した(投稿中)。また、本酵素と一次構造上の相同性は低いにもかかわらず、活性中心のアミノ酸残基に保存が見られる真核生物由来の遺伝子の糖結合部位が、ADP-PFKでなくよりADP-GKに近いことを見いだし、現在クローニング・発現系の構築を進めている。 ADP-PFKのX線結晶構造解析では、open conformationであると考えられたThermococcus litoralis由来ADP-GKよりさらに20°ドメインが開いていることが明らかになったが、分解能が悪いためにその詳細を明らかにするまでには至っていない(Jong-Jin Jeong, unpublished data)。
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Research Products
(1 results)