2002 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核における魔法数の消滅・生成と束縛・連続状態の殻構造
Project/Area Number |
02J07909
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 林太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 核構造 / 不安定核 / 磁気モーメント / GT遷移 |
Research Abstract |
これまでの私の研究で明らかとなっていた、不安定核での魔法数の変化等に重要な役割を果たしている核力での重要な部分を、p殻内においてG-matrixの値とも矛盾なく取り込んだ有効相互作用を定量的に決定した。それを用いて主にpsd殻での軽い原子核において広い範囲にわたって殻模型計算を行った。着目した相互作用が大きく関わっていると考えられる磁気モーメントおよびGamow-Teller遷移の大きさを計算、実験と比較することにより、新しい相互作用の有効性、妥当性を示すことができた。酸素同位体程度までの軽い領域においてはドリップラインの原子核を含め実験データは現在も増え続けており、その領域を記述するためにもこの相互作用は重要な役割を果たしている。この研究はPhysical Review Cに投稿し、受理されている。 また、sd殻に中性子が存在する場合の核力と殼構造の関係を調べ、異なる殻の間のテンソルカに着目することで従来のものを用いるのに比べて炭素同位体をよりよく記述できる相互作用を決定した。これにより、中性子過剰な束縛の弱い系においても実験結果をよく再現し、最新のエネルギーレベルや遷移確率についての実験データとも矛盾ない結果が得られた。新たな性質としてE2遷移の炭素同位体における変化の様子、その理由などについて指摘した。さらに発展させることで、sd殻領域を含めた軽い核全般について系統的な議論ができると期待される。
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Research Products
(1 results)