2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Sp1におけるトランスースプライシングの分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
02J08030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高原 照直 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Sp1 / 転写 / トランス-スプライシング |
Research Abstract |
昨年度行った染色体中に変異Sp1遺伝子を組み込んだ細胞株を用いた解析から、Sp1 mRNA前駆体間のトランス-スプライシングが起こる上でSp1遺伝子のイントロン3の長さが重要であることが分かった。スプライシングは転写中に進行することが示唆されていることから、長やイントロン3においてはその5'スプライス部位が合成された後、下流の3'スプライス部位が現れるまでに長い時間がかかる。このためにイントロン3の5'スプライス部位はしばらくの間露呈しており、これが近傍で転写されつつある別のmRNA前駆体中のイントロン1のスプライス受容部位と組み合うことで、エクソン3-2の連結を生み出すトランス-スプライシングが起こることが推測きれた。そこでトランス-スプラィシングが起こらなくなった変異Sp1遺伝子の短いイントロン3に転写停止を引き起こす配列を導入して人工的に3'スプライス部位の出現を遅延させるような変異Sp1遺伝子を用いた解析を行ったところ、予想したようにこの変異Sp1遺伝子ではトランス-スプライシングが観察された。このことから、ほ乳類で起こるトランス-スプライシングは下流の3'スプライス部位の合成の遅延の結果生じると考えられた。 一方で、培養細胞にSp1遺伝子断片を持つプラスミドを一過性導入し、プラスミドから転写されたmRNA前駆体を用いたトランス-スプライシングの解析を行った。その結果、プラスミド由来のmRNA前駆体間ではどのような5'および3'部位の組み合わせでもトランス-スプライシングが起こることをがわかった。また、一過性導入したプラスミド由来のmRNA前駆体間のトランス-スプライシングを促進する配列を見いだした。
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