2002 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期からの移動のネットワークと沖縄文化の形成について
Project/Area Number |
02J08150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本山 謙二 東京大学, 社会情報研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 島唄 / ディアスポラ / 移動のネットワーク / 都市大阪における奄美・沖縄音楽 / 三池炭鉱での音楽文化状況 / 移民の音楽文化 / 移民文学 / 植民地主義 |
Research Abstract |
本研究は、戦前期からの移動のネットワークと沖縄文化の形成に関する研究である。まず前半は、これまでの研究成果のまとめとして学会誌などへの執筆が主な仕事となった。その仕事の成果は、研究業績として『現代思想』5月号、『ユリイカ』8月号、『解放社会学研究』16号などに反映された。特に『現代思想』の三池炭鉱の移住者における音楽文化に関する論文は、『朝日新聞』紙上で評者・原武史にとって評価された。そうした反響などを受け、再度の調査として三池炭鉱(福岡県大牟田市、熊本県荒尾市)へのフィールドワークを国内旅費として使用した。今回は、その移住史についてよりメディア論的なアプローチからフィールドワークを行った。また『音の力 ストリートをとりもどせ』の執筆のために大阪へのフィールドワークを行った。そこでは、現在における地域活動を通じ戦前期からの移動のネットワークを考察した。この作業は、三池、大阪などの点と点をつなぐ成果があげられた。 中盤は、そうしたフィールドワークを通じて浮かび上がった事例について、より理論的な観点からまとめる作業に時間を費やした。その成果は、『シンコペーション ラティーノ/カリビアンの文化実践』などに反映された。後半は比較文明学会などの学会報告や各種のシンポジウムに招待されての報告などが活動の中心だった。研究の面では、来年度に完成予定の大阪の戦前期における移住者の音楽文化の状況に関する論文執筆に向けての資料の整理などを行った。この成果は来年度の業績に反映されるものだと考える。以上が本年度の研究実績の概要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 本山 謙二: "唄い崩される<うた>の経路"現代思想. 5月号. 231-245 (2002)
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[Publications] 本山 謙二: "沖縄・奄美の近代と<新しい音>"Intercommunication. NO.42. 90-91 (2002)
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[Publications] 本山 謙二: "漂泊することの肯定に向けて-干刈あがたの言説から"解放社会学研究. 16. 52-71 (2002)
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[Publications] 本山 謙二: "呼吸するために「そろそろ」はじめること-移民コミュニティの音楽文化"音の力-ストリートをとりもどせ. 26-41 (2002)
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[Publications] 本山 謙二: "「諍いの風景」インナーシティで生まれた文学群から"シンコペーション ラティーノ/カリビアンの文化実践. 180-185 (2003)
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[Publications] 本山 謙二: "ヘテロ・グロッシア ポストコロニアリズム オリエンタリズム 異種混淆 本質主義/非本質主義 名付け の6項目"情報学辞典. (2002)