2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08170
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 正明 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 写真類群 / 線型表現 |
Research Abstract |
写像類群の構造の解明を目的とし、特に写像類群の線型性について調べるため、写像類群のマグナス表現について研究をした。まず示したことはトレリ群のマグナス表現の既約分解の決定である。トレリ群とは写像類群の重要な正規部分群である。この表現の既約性については知られていなかったが、1次元の自明な部分表現を持つことを示すことによって、可約であるということを示した。さらに商表現も可約であるがその商表現がやはり1次元の自明表現となることを証明した。以上によりトレリ群のマグナス表現の具体的な既約分解を決定した。その応用としてこの表現の核の情報を得ることができた。すなわち、核はトレリ群の降中心化列の部分集合になることはないことが証明できた。次に写像類群のマグナス表現はFox微分と呼ばれる計算を用いて定義されるが、それを使わずにこの表現が写像類群の普遍被覆空間の基点のファイバーによる相対1次ホモロジー群へ作用として解釈できることを示した。これによりFox微分を全く用いずに写像類群のマグナス表現が定義できる。その応用の一つ目としてこの表現がシンプレクティックであることが知られているが、その別証明を与えた。この別証明は知られていた証明よりも、より内在的なものとなっている。この証明には交叉数をさらに精密化したものを用い、それが証明に重要な役割を果たしている。また二つ目として、トレリ群のマグナス表現の核の性質を捉えることができた。具体的にはある種の元がふたつあるとき、その交換子が核に入るかどうかの必要十分条件を与えた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Masaaki Suzuki: "Irreducible decomposition of the Magnus representation of the Torelli group"Bulletin of the Australian Mathematical society. (発表予定).
-
[Publications] Masaaki Suzuki: "On the Magnus representation of the mapping class group"Interdisplinary Information Sciences. (発表予定).