2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08196
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 成生 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 歴史学 / 西洋史学 / 西洋中世史 / 教会史 / 西洋音楽史 / フランス史 / 聖歌隊 / カンブレー大聖堂 |
Research Abstract |
本研究は、西洋中世における音楽家の社会的身分とその組織構造の解明を研究課題とし、個別の題材としてフランスのカンブレー大聖堂の聖歌隊を取り扱うものである。 本年度の成果としては、まず日本西洋史学会大会(於:東京外学国語大学)にて、その一部を「カンブレー大聖堂の聖歌隊-中世末期の「音楽家」のありかたに関する一考察」という題目もとで口頭発表し、後にその内容を学術論文として公表することができた(『史学雑誌』112編3号)。 また研究代表者はこれら過程で、前記の課題の解明には該当する聖歌隊のみならず、教会組織全体を視野に収めなければならないと感じた。しかしその分野は研究が手薄であり、国内では入手が困難な文献をさらに参照することが必須である。そのため研究代表者は、日本学術振興会特別研究員奨励費による支援を受け、平成14年11月から約1ヶ月間、北フランスのノール県立文書館ならびにカンブレーの市立図書館で史料調査を行い、上記の教会に関連する史料約500点(約2万5千枚)を調査した。その際、手稿史料の複写に関しては、研究指導者の助言に従い、もっとも安価な方法であるデジタル・カメラとノート・パソコンを用いた。 次年度の課題は、上記の史料群の分析とそれに基づく研究成果の公表である。まず平成15年3月29日には、最初の成果を「カンプレー司教座聖堂参事会の人的構成(1400〜1600)」という題目で口頭発表する予定である(フランス史研究会・於:お茶の水女子大学)。
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Research Products
(1 results)