• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2002 Fiscal Year Annual Research Report

強電界下におけるナノ構造の電子状態と電気特性の理論解析

Research Project

Project/Area Number 02J08213
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

合田 義弘  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords第一原理計算 / 密度汎関数法 / 表面電子物性 / 電気特性 / ナノ構造 / 電界電子放出 / シリコン / 半無限電極
Research Abstract

電界及び電気伝導に関する物理現象は、エレクトロニクスと直接結び付いているという意味で極めて重要であり、ナノテクノロジーのブレイクスルーを目指して盛んに基礎研究が行われている。なかでも強電界を印加した表面から電子がトンネル効果により真空へ放出される現象である電界電子放出は、フラットパネルディスプレイ等への応用として工学的に重要であるばかりでなく、電界に対する固体表面の応答として基礎的にも非常に興味深い現象である。特に、シリコン表面からの電界電子放出は、放出源の作製において既存のLSI加工プロセスが応用できるため盛んに研究されているが、表面原子構造の詳細とその放出特性への影響については知られていない。
そこで本研究では、新たに開発した強電界下における表面電子状態を散乱状態をあらわに考慮しつつ密度汎関数法に基づき非経験的に理論解析する手法を用いて、シリコン表面からの電界電子放出を解析した。本手法では、マクロスコピックな電子浴の役割を果たす半無限の電極の効果をあらわに考慮している。本手法を用いて、清浄及び水素終端Si(100)表面からの電界電子放出の第一原理計算を行い、Si(100)表面における表面状態の電界電子放出に及ぼす効果を明らかにする事を試みた。
表面の結合状態の影響を解析するために、水素終端Si(100)表面の第一原理計算を行い清浄表面と比較した。放出電流のFowler-Nordheim (FN)プロット(log10(j/F2). vs. 1/F)においては、電界が弱い場合には水素終端表面の方が清浄表面よりも放出特性が良い事がわかる。この結果は実験と一致し、仕事関数の差(水素終端表面:4.67eV、清浄表面:5.12eV)により説明出来る。また、電界が強い場合には水素終端表面のFNプロットは非線形性を示した。有効ポテンシャルと局所状態密度の解析の結果、電界が強い場合の劇的な放出特性の向上は、強電界によるバンドベンディングが起こり表面に局在した2次元的な伝導バンドから電子が放出されているためである事が明らかになった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Y.Gohda(合田義弘): "Theoretical analysis of field emission from atomically sharp aluminum tips"Surface Science. 516. 265 (2002)

URL: 

Published: 2004-03-26   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi