2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミュー粒子稀崩壊探索実験による標準素粒子理論を超える大統一理論の検証
Project/Area Number |
02J08232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小曽根 健嗣 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 液体キセノン / ミュー粒子稀崩壊 / MEG / LFV |
Research Abstract |
本研究で使用される液体キセノン検出器のために、これまで2つの試作器を製作してきた。現在はそのうち大型の試作器による性能評価を行っている最中であり、平成14年の春と秋にビームテストを行った。これらのテストで検出器の性能は実際のミュー粒子稀崩壊探索実験での検出器に対する要求をほぼ満たすことができるという結論に至った。しかし、その性能は液体キセノンの純度に極めて敏感であり水などの不純物の混入で性能は著しく低下する。実際、そのテストにおいて液体キセノンに不純物(主に水)が混入していることが判明したため、液体キセノンを効率的に純化する方法を新たに考え出した。循環用のダイアフラム・ポンプとゲッターと呼ばれる純化装置を組み込むことで、キセノンを液体に維持しながら効率良く純化できるようになった。一方、検出器のシミュレーションには幾つかの未知のパラメータが存在したが、テストを通じてそれらの幾つかは同定できた。液体キセノンから出されるシンチレーション光と検出器のアルミや石英などとの反射や吸収に関するパラメータは依然として確定されていないため、研究奨励金で購入したエキシマ・ランプを用いた反射率測定が現在進行中である。
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