2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミュー粒子稀崩壊探索実験による標準素粒子理論を超える大統一理論の検証
Project/Area Number |
02J08232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小曽根 健嗣 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 液体キセノン / ミュー粒子稀崩壊 / MEG / LFV |
Research Abstract |
本研究で使用される液体キセノン検出器のために、これまで2つの試作器を製作してきた。現在はそのうち大型の試作器による性能評価を行っている最中である。平成15年4月に産業技術総合研究所の電子蓄積リングTERASを用いたビームテストを行った。このテストの結果から検出器のエネルギー分解能を求め、検出器の性能は実際のミュー粒子稀崩壊探索実験での検出器に対する要求をほぼ満たすことができるという結論に至った。しかし、ここで用いたガンマ線は単色ではなく40MeVにコンプトンエッジを持った連続分布であり、MEG実験で観測するガンマ線のエネルギーは52.8MeVであるため、より高いエネルギーの単色ガンマ線でのビームテストにより検証する必要があった。そこで、検出器をスイスに持っていき、中性パイ粒子の崩壊で生じる単色に近いガンマ線を選ぶことによって性能評価を再度行った。これにより、前回のTERASでの結果と矛盾しない結論を得ることができた。 また、液体キセノンから出されるシンチレーション光と検出器のアルミや石英などとの反射や吸収に関するパラメータは依然として確定されていないため、研究奨励金で購入したエキシマ・ランプを用いた反射率測定を行った。実験のセットアップは幾度かの改良を経たためデータ収集まで多少時間を費やしたが、解析に最低限必要なデータは揃えることができた。現在はそれに関する解析を行っており、シミュレーションのファイン・チューニングを行っている最中である。これからの課題としては、アルミや石英などの表面粗度を変えた試料を使って再測定し、粗度の違いで反射率がどのように変化するかを定量的に示すことである。
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