2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 輝義 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Galois表現 / 志村多様体 / 数論幾何学 / Langlands対応 / エタールコホモロジー / 局所体 / 保型表現 / 類体論 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き,局所Langlands対応の数論幾何学的実現の研究を続行した.まず,レベルπつき形式加群の変形環の1進消滅サイクルコホモロジーを,特殊ファイバーの特異点をブローアップしたモデルにDeligne-Lusztig理論を適用することで計算できる,という結果については,幾何学的な状況をほぼ完全に明らかにした.とくに変形環の一般半安定モデルの構成も得られたため,コホモロジーの交代和に関してはこの場合の非可換Lubin-Tate理論がDeligne-Lusztig理論と等価であることまで示された.この結果は博士論文"On non-abelian Lubin-Tate theory via vanishing cycles"にまとめ,数論幾何学シンポジウム(北海道大学)・整数論シンポジウム(早稲田大学)・整数論セミナー(Harvard大学)で報告した.この研究はさらに次のような方向に進展した.まず,局所環の一般半安定モデルの構成は,対応するタイプのユニタリ型志村多様体の悪い還元の特殊ファイバーの一般半安定モデルを与え,局所体上の志村多様体のコホモロジーを直接計算可能にする.また,上の研究では局所環の定義方程式を具体的にべき級数を用いて表すことに成功したが,これは中間的なレベル構造(岩堀部分群など)に対応するユニタリ志村多様体の悪い還元のモデルの構成・理解を可能にする.これはモジュラー曲線の場合の先行研究(Katz-Mazur)を一般次元に拡張するものであり,今後の大域的代数的整数論への応用が期待される.また,とくに岩堀部分群に対応する半安定還元の場合に,大域Langlands対応と局所Langlands対応のcompatibilityに関するHarris-Taylorの結果のmonodromy作用素への精密化を調べている.さらに,上のアプローチを用いてレベルが高い場合の変形環の生成ファイバーの連結成分を決定する問題にはいくつかの応用が知られており,これについても部分的な結果を得た.
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Research Products
(1 results)