2004 Fiscal Year Annual Research Report
トーラス型非中性プラズマトラップの平衡と閉じ込め特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
02J08377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 晴彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非中性プラズマ / トロイダル電子プラズマ / 径方向電場 |
Research Abstract |
昨年度までに引き続き,内部導体型・トロイダル磁気面配位系であるProto-RT (Prototype-Ring Trap)装置において,内部自己電場を持つプラズマの実験研究を行った. トロイダル純電子プラズマを使用した実験においては,閉じ込め時間のより定量的な計測を目的として,鏡像電荷の積分によるプラズマ電荷計測系を導入し,トーラス系における電子プラズマの閉じ込め時間の背景圧力や磁場強度に対する詳細なスケーリングの測定を行った.これにより,トロイダル磁気面配位が非中性プラズマに対して良好な閉じ込め性能を示し,閉じ込め時間は中性粒子との衝突による古典拡散に到達する事が明らかになった.また,静電揺動の多点計測により,波動伝播方向等の諸特性の計測を行った.Dipole磁場に対してトロイダル磁場を追加する事により,電場磁場双方に対して垂直方向に伝播する等のdiocotron modeの特性が確認された. 13.56MHz RFによる水素プラズマを用いた実験では,誘導結合型アンテナによるプラズマ生成を行う事により,従来の容量結合型アンテナの使用時と比較して,装置内部のより広い範囲に3kV/m程度の径方向電場を生成した.対応するE×Bドリフト速度は10^5m/s程度であり,イオン音速を超えるトロイダルプラズマ流が形成されたものと考えられる.また,電極によるバイアスと合わせてプラズマ中への電子入射の効果に関しても空間電位等の計測実験を行った. これらの研究を通して,トロイダル磁気面配位における内部電場構造を持つプラズマの特性に関して基礎的な理解が得られたものと考えられる.なお,プラズマの平衡に対する流れの動圧の効果を実験的に明らかにする事を目標として,プラズマ密度の向上とAlfven速度の低下を実現する為の磁場強度上昇試験を開始しており,現在までに磁場コイルの通電試験と2.45GHz RFの発振試験を完了した.
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Research Products
(1 results)