2003 Fiscal Year Annual Research Report
レプトマイシンBを用いた核外移行蛋白質の同定とその機能に関する研究
Project/Area Number |
02J08543
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 綾子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レプトマイシンB / 核外移行 / Crm1 |
Research Abstract |
レプトマイシンB(LMB)は、核外移行シグナルの受容体Crm1に特異的に共有結合し蛋白質核外以降を阻害する。今年度は以前のスクリーニングにより見いだしたLMB添加による微小管構造の変化に関する解析と、ORF-YFPライブラリーを用いた局在のカタログ化と核外移行蛋白質のスクリーニングを行った。 1.LMB添加による徴小管構造変化機構の解析 前年度につづき、LMB添加による構造変化がM期の紡錘体微小管とどのようにちがうのかを検討した。まず微小管重合阻害剤を用いて検討したところ通常のSpindleとは異なりその構造は破壊されないことが明らかになった。さらにSpindle Pole Body(SPB)のマーカーを用いLMB添加後のSPBの挙動を観察したところ、M期のそれとは異なりSpindleの先端に局在しなかった。 2.分裂酵母ORF-YFPライブラリーを用いた局在のカタログ化とスクリーニング 前年度本研究室で構築された分裂酵母の全遺伝子ライブラリーを利用し、研究室内の多数の研究者と共同でORF-YFPライブラリーの作成と局在解析を開始したことを報告した。今年度は全ての遺伝子を含むORF-YFPライブラリーが完成し、まず完成したライブラリーを用い、全蛋白質の細胞内局在のカタログ化を行った。またこのライブラリーを用いたLMB添加により細胞内局在が変化する蛋白質のスクリーニングも完了した。スクリーニングの結果、約5000の蛋白質中257個のcandidatesが得られた。これは約5%の蛋白質が分裂酵母内でCrm1依存的に核外移行の制御を受けているということを示唆するものである。また以前の研究で見いだした微小管の構造変化と同様の局在変化を呈するcandidatesも25個得られた。カタログ化した全蛋白質の局在、LMBによるスクリーニングの結果は近々ホームページを開設し公開する予定である。
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