2004 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線・ガンマ線観測による銀河系内の拡がった非熱的放射の解明
Project/Area Number |
02J08554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 悟朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Swift衛星 / Burst Alert Telescope / 硬X線・ガンマ線観測 / ガンマ線バースト / 硬X線サーベイ / CdZnTe検出器 / 電荷移動度・寿命 / スペクトルモデル |
Research Abstract |
Swift衛星と呼ばれる、突発的天体を対象とした多波長観測衛星の開発に携わってきた。これは、宇宙で最大の爆発現象であるガンマ線バーストの起源や、その残光現象の解明、およびそれらを用いた初期宇宙の探査を目的とするものである。ガンマ線イメージング検出器であるBATの開発にも引き続き携わっており、前年度までに構築してきたスペクトルモデルを、BATの解析ソフトウェア群の中に組み込む作業を行った。このソフトウェアは衛星が打ち上がった後に世界に公開される予定である。その後、Swift衛星は、2004年11月20日にデルタIIロケットにより、米国ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、高度600kmの地球周回軌道に投入された。打ち上げ後45日間の間に、衛星の姿勢制御パラメタの調整や、各検出器の起動作業を行い、順調な動作を確認した。その後、約3ヶ月間に渡って、検出器の軌道キャリブレーション試験を実施し、BAT検出器のエネルギー応答、タイミング、およびイメージングの精度を向上させるべく、主に蟹星雲の観測データを解析し、解析ソフトウェアのパラメタの調整作業を行った。この間にも、多数のガンマ線バーストを捉えるなど、期待通りの性能を示している。また、強力なマグネターであると考えられているSGR 1806-20から、極めて大きなフレア現象を捉えることに成功した。これは、50年に一度というような稀な現象であり、非常に強い磁場が再構成されるときに生じたフレア現象だと考えられ、論文として報告を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Gamma Ray Observations of a Giant Flare from the Magnetar SGR 1806-202005
Author(s)
D.Palmer, S.Barthelmy, N.Gehrels, M.Kippen, T.Cayton, C.Kouvelitou, D.Eichler, R.Wijers, P.Woods, J.Granot, G.Sato, M.Suzuki et al.
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Journal Title