2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊吹山 秋彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 銀河系 / 太陽近傍星 / 初期質量関数 |
Research Abstract |
1.太陽近傍星の初期質量関数(IMF) 星形成の際に生まれる星の質量分布のことをIMFとよぶ。これまでの研究では、IMFを導出する際には主として星の光度関数から質量-光度関係(M/L)を介して星の質量分布を導出するという方法が用いられてきた。これら先行研究では「M/Lが一定」かつ「IMF自体は金属量に依存しない」という2つの仮定がおかれていた。そこで、われわれはこのような仮定をおかずに太陽近傍での金属量、年齢の判明している星に対して金属量の効果を考慮した初期質量関数を導出した。これらの星に対して恒星進化モデルと観測された星の色-等級図を比較することによりサンプルの質量、年齢を化学組成を考慮にいれた上で決定した。その結果、0.5-2太陽質量の範囲の質量を持つ星では金属量が少ないサンプルに、より急なIMFの勾配が見られることが判明した。 2.銀河系ハロー星の色等級図 銀河系のハロー星に対し、色等級図を用いてその形成過程を研究した。色、等級にはHipparcosカタログを用い、ハロー種族に属するかどうかは星の固有運動と距離、視線速度から星の3次元空間速度を求めて決定した。ここで得られた色等級図から、色等級図上でもっとも青い星は金属量が低く([Fe/H]≒-2.0)年齢が古い(14Gyr)と考えられること。またこのような星より赤い星が大量に存在し、これは年齢は古く金属量が高い星が存在するためと解釈できること。などがわかり、全体としてはいずれもhaloが銀河初期に形成されたという説が支持されることが判明した。しかしながら数は少ないものの、red clump星や伴星を持たないと見られるA、F型主系列星が存在するという若い系に特有の現象が発見されハローの一部は比較的最近に形成された可能性を示唆された。
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Research Products
(1 results)