2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 孝尚 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 編隊飛行 / 相対情報と情報伝達構造 / 群の安定性 / 群の定常偏差 / 群の応答性 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において,ISAS/JAXAで検討中のプラズマ磁気権観測ミッション(SCOPE)の軌道設計等を行ってきた.これは少数の宇宙機による編隊飛行に関する研究であり,宇宙機間の相対距離も数[km]〜数百[km]と大きいものであった.しかし宇宙機の小型化に伴い,多数の宇宙機による編隊飛行なども現実味を帯びてきており,その実現のための研究が必要になってきている. 複数宇宙機による編隊飛行において,過去の研究の多くは全ての宇宙機が絶対情報を用いることが可能であることが前提となっていたが,宇宙機の数が多い場合や,宇宙機間距離の小さい場合においては,運用の容易さ,衝突回避等の面から,各宇宙機が近傍宇宙機との相対情報をフィードバックした制御を行うことが有効となる.その際に,群全体の運動の性質は,各宇宙機の制御則と宇宙機間の相対情報の取得関係(情報伝達構造)によって決定されることになる.そこで,本研究では情報伝達構造が群の制御性に与える影響について調べ,群の制御性と情報伝達構造の関係を明らかにした. 各宇宙機の制御系が同一であるとすると,群の運動の行列伝達関数は,群の情報伝達構造を表す行列と各宇宙機の制御系を表す伝達関数を組み合わせることで記述できる.本研究は,その行列伝達関数を調べることによって,群の安定性,定常偏差,応答性の3つの制御性と情報伝達構造の関係を明らかにし,陽に制御性の指標を情報伝達構造の関数として与えることに成功している,更に,得られた指標に基づいた制御性に優れる群の形成法を提案した.以上の結果は多数の宇宙機による編隊飛行の実現可能性を広げるだけでなく,地上の群ロボットや自動車の自動制御などのシステムに応用が可能であると考えられる.
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Research Products
(2 results)