2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08636
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉木 栄一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 熱レンズ顕微鏡 / ナノチャネル / マイクロチップ |
Research Abstract |
本研究では、高機能熱レンズ顕微鏡の一つとして、励起光の波長を任意に走査できる波長可変熱レンズ顕微鏡を開発してきた。また、当研究室ではすでにナノスケールの空間において溶液の粘度・誘電率に変化が現れることを別の測定法で示していた。ナノスケールの空間で化学反応を起こし、反応物を適用範囲の広い測定法である波長可変熱レンズ顕微鏡で測定することができれば、ナノ空間溶液物性についてより多くの知見を得ることが期待できる。そこで昨年度までに、波長可変熱レンズ顕微鏡で測定をするための、ナノチャネルを加工した石英ガラスチップを作成していた。しかし、高い圧力損失・気泡の混入などにより、ナノチャネル内で溶液を混合・反応をすることができなかった。そこで本年度は、溶液の混合・反応が可能なY字ナノスケールリアクターを開発することを目的とする。 ナノチャネルのような微小な空間では圧力損失が非常に大きいため溶液を流すのが非常に困難である。そこで、圧力損失を低くするためのマイクロ構造とナノ構造を組み合わせた構造を作成した。ナノスケール空間では表面張力の影響が非常に大きくなるので、ナノチャネルに溶液が入った状態から空気を通すのが困難となる。そのため気泡が混入してしまうと取り除くのが困難である。一方で、ナノ空間で溶液を混合するには二方向から均等に圧力をかける必要がある。そこで、気泡を逃がすことができ、かつ圧力制御ができる溶液導入システムを開発した。U字構造の導入路に一定圧力がかかるように溶液を流すことで安定した圧力でナノチャネルに溶液導入することに成功した。 来年度は、Y字ナノチャネル内で化学反応を起こし、波長可変熱レンズ顕微鏡で測定することでナノスケールにおける溶液物性を明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] E.Tamaki, Y.Morita, A.Hibara, H.B.Kim, M.Tokeshi, T.Ooi, M.Nakao, T.Kitamori: "Nano Chemical Reactor"Micro Total Analysis Systems 2003. 681-684 (2003)