2004 Fiscal Year Annual Research Report
小脳長期抑圧の誘発を担うイノシトール1,4,5-三リン酸動態の可視化解析
Project/Area Number |
02J08643
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 洋平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 小脳 / 長期抑圧 / イノシトール / カルシウム / 可視化 / 二光子励起顕微鏡 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
小脳平行線維-プルキンエ細胞間シナプスの長期抑圧は、中枢神経におけるシナプス可塑性理解のための比較的単純なモデル系として活発に研究が進められているが、その誘発メカニズムはいまだに明らかになっていない。研究代表者は長期抑圧誘発における重要性が示唆されているイノシトール1,4,5-三リン酸(IP_3)に着目した。本研究では長期抑圧誘発におけるIP_3の役割を、時間的・空間的コンテクストにおいて明らかにすることを目的とする。 昨年度までに、GFP-PHD及び二光子励起顕微鏡を用いて、急性小脳スライス標本内のプルキンエ細胞においてIP_3動態を可視化する技術を開発した。またこの技術を用い、樹状突起細部で平行線維入力依存的なIP_3産生及びカルシウムシグナルを同時測定することに成功した。そして、平行線維入力依存的なIP_3産生においては、代謝型グルタミン酸受容体とイオンチャネル型受容体であるAMPA受容体の同時活性化が必要であることを明らかにした。 今年度は以上の成果を元にした論文を執筆し発表した(Okubo et al. J.Neurosci.24,9513-9520)。またその内容を日本神経科学学会年会および北米神経科学会年会において発表した。実験に関しては平行線維・登上線維の同時刺激時のIP_3動態を解析し、本研究の目的にあるようにLTD誘発におけるIP_3産生の役割を明らかにすることを目指した。現在、平行線維シナプスにおけるmGluR/AMPA受容体による協調的IP_3産生と以前に発見した(Okubo et al. Neuron 32,113-122)登上線維依存性IP_3産生がどのような相互作用を示すのかを解析中である。
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Research Products
(1 results)