2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ分子遺伝学による中枢シナプス形成分子の探索
Project/Area Number |
02J08644
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 賢嗣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス形成 / ニューレキシン / シナプス小胞 / in vivo / 可視化 / ダブルカセット / ゼブラフィッシュ / 嗅神経細胞 |
Research Abstract |
β-neurexinは細胞接着分子で、ポストシナプスのneuroliginと結合してシナプス形成に関与していると考えられている。そこで我々は、生きたまま神経回路網の形成過程を可視化して観察できるゼブラフィッシュをモデル動物として用いて、β-neurexinの生体内での機能を調べた。はじめに、neurexin 1βに最も近いゼブラフィッシュのβ-neurexinをクローニングし、zebrafish neurexin 1aβと名付けた。タンパク結合アッセイにより、zebrafish neurexin 1aβは、哺乳類neurexin 1βと同様にCa^<2+>依存的にneuroliginと結合することがわかった。VAMP2-EGFPとzebrafish neurexin 1aβが同一の嗅神経細胞で発現するダブルカセットベクターを構築し、野生型zebrafish neurexin 1aβ、および細胞内部位を欠失させたzebrafish neurexin 1aβを発現させると、軸索終末への小胞マーカータンパクVAMP2-EGFPの集積が抑えられた。いっぽう、細胞外のLNSドメインを欠失したzebrafish neurexin 1aβを発現させても、VAMP2-EGFPの集積には影響が見られなかった。Zebrafish neurexin 1aβを発現させても軸索の伸長、軸索終末の形態変化には影響が認められなかった。以上の結果より、zebrafish neurexin 1aβは細胞外を通じてシナプス小胞の嗅神経細胞の軸索終末への集積を抑えることがわかった。
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